競合の激増、広告費の高騰、消費者行動の変化――
これまでの記事では、EC市場が「売れにくくなった理由」と、よくある失敗パターンを紹介してきました。
では、そこから抜け出すには何をすればいいのか?
今回ご紹介するのは、“今の時代に合った売り方の再構築”について、本書『絶対に失敗しないECのやり方』第1章から抜粋した実践的なヒントです。
売り方再構築①:「モノを売る」から「価値を届ける」へ

売れているECサイトには、共通した特徴があります。
それは、“モノ売り”から脱却し、顧客とのコミュニケーションやサイト体験を重視しているということです。
「モノを売ることだけに終始し、消費者とのコミュニケーションをないがしろにする」
“今の消費者”は、より能動的に情報を取捨選択し、自分にとって必要な情報やエンタメだけを追いかけるようになっています。
(書籍より引用)
一方通行のセールストークだけでは、人の心は動きません。
SNSやライブ配信を活用し、双方向のやりとりを大切にしているショップが今、選ばれています。
「誰に対して、どんな価値を提供したいのか」を明確にして、そのメッセージを相手に届く形で発信していく努力は必須といえます。
(書籍より引用)
「商品ページを作るだけで満足し、ユーザー体験を向上させる工夫をしない」
以前は「商品の写真と値段さえ載せておけば十分」と思われていたかもしれませんが、競合が増えた今、こうした最低限の情報だけでは差別化が難しくなってきました。
(書籍より引用)
ユーザーは、ただのスペックよりも「自分に何をしてくれるのか」を見ています。
レシピや使い方動画、購入後のフォローといった“体験の質”が、リピートと口コミに直結するのです。
売り方再構築②:「節約思考」から「投資思考」へ

多くのEC事業者が、広告費や制作費を「できるだけ抑えたい」と考えがちです。
しかしそれは、成果が出ない原因になっているかもしれません。
「投資を避け、思いつきや小手先のテクニックだけで長期的成功を狙う」
ちゃんと「必要なところ」に投資しないと、どこかの段階で成長が頭打ちになったり、まったく売れなかったりする可能性が高いのです。
(書籍より引用)
必要な投資は、「広告」だけではありません。
商品撮影、デザイン、顧客対応、物流最適化など、ビジネスとして継続するには、リスクを取る判断も求められます。
「EC運営を軽い副業レベルと捉えて、起業家としての意識を持たない」
「EC運営は『一つの事業』であり、自分は『起業家』であるという覚悟が必要です。」
(書籍より引用)
「売上を本気で伸ばす」なら、経費の管理、外注戦略、顧客との接点づくり――
そのすべてを“経営視点”で組み立てる意識が欠かせません。
本章のまとめ:これからのEC運営に必要な3つの視点
本書では、これからのECを支えるための「3つの視点」が次のように整理されています。
- 顧客の“可処分時間”を奪う情報発信とコンテンツ力
- 明確な独自性とブランドコンセプトの言語化
- 投資を恐れず挑戦する“起業家マインド”
これらの視点は、第2章以降でより具体的に解説されていきます。
書籍では、売れる「構造」と「視点の切り替え」を徹底解説
本記事は、『絶対に失敗しないECのやり方』第1章の終盤にあたる内容を簡潔にご紹介しました。
本書では以下のような内容がさらに深く展開されています。
- “売れない構造”をどう切り替えるか?
- 単なるノウハウではなく「経営の思考」をどう身につけるか?
- 小さなEC事業でも「ブランド」を持ち、「戦い方」を確立する方法
読者の声(口コミ)

「売上が伸び悩んでいた理由が“なんとなく”から“構造的”に理解できました」

「小規模でも自分らしい戦い方があると気づけた。広告にビクビクしなくなった」

「難しい言葉が少なく、具体例とチェックリストが多くて助かる。EC1〜2年目の人に絶対おすすめ」
まとめ|売り方を再構築できるかが、これからの分岐点になる
今のECは、テクニックよりも「構造」と「姿勢」で結果が変わる時代です。
あなたの事業は、今どの視点を見直すべきでしょうか?
本書と一緒に、もう一度“売り方”を再構築してみませんか。

絶対に失敗しないECのやり方
著者:広瀬 裕 鈴木 陽介
定価:1200円
出版社:株式会社インターコード
本書について
個人〜中小規模のEC事業者に向けて、
「どうすれば安定して売れ続ける仕組みをつくれるのか?」を体系的に解説した一冊です。