広告を出しても反応が悪く、「何がウケるのか分からない……」と感じたことはありませんか?
SNSやLINEを駆使して月商30万円を突破したECでも、100万円を目指すには「広告運用」の視点が欠かせません。特に重要なのが「刺さる訴求軸」を見つけ出すこと。そして、その軸をもとに広告クリエイティブを磨き込んでいくことです。
今回は書籍『絶対に失敗しないECのやり方』第5章より、広告運用で成果を出すための3ステップと、運用失敗を避ける考え方をご紹介します。
「刺さる広告」はこうして作る──3ステップ思考法

いきなり正解を見つけるのは困難。だからこそ、段階を踏んで探るプロセスが重要です。
「この三ステップを粘り強く回すことで、“今”の市場や顧客ニーズに合ったコピーを見つけられます。」
(書籍より引用)
では、その三つのステップとはどのようなものなのでしょうか? 順を追って見ていきましょう。
- ステップ1:複数の訴求軸を考える
- たとえばプロテインなら「断食専用」「朝食置き換え」「植物由来」「栄養重視」など、いろんな角度のコピーを仮設として挙げてみましょう。
- ステップ2:効果の良い軸を見つける
- それぞれに少額ずつ広告予算を振り分けてテスト。最もCPA(顧客獲得単価)が低かったものを“いま最良”と判断します。
- ステップ3:その軸を磨き込む
- たとえば「栄養重視」なら、「タンパク質+サラダ並のビタミンが一度にとれる」など、言い回しを微調整。最適な表現に磨いていきます。
「広告=一発勝負」ではありません。“答えを探しにいく”姿勢が成果を引き寄せます。
広告は「新規獲得だけ」ではない?

広告と聞くと、「新規顧客に見せるもの」と思いがちですが、実は既存顧客との関係づくりにも活用できます。
「広告は新規と既存の双方へ向けたコミュニケーション手段として活用」
(書籍より引用)
たとえば以下のような広告が効果的です。
- リターゲティング:過去に購入した人へ関連商品の提案
- 思い出し広告:「まだ使ってなかった」「また注文しようかな」を促す
- 使い方ガイドやQ&A:再使用のきっかけを作り、LTV(顧客生涯価値)向上につながる
つまり、広告は「買って終わり」の人にもう一度届ける“メッセージ”でもあるのです。
失敗から学ぶ|広告運用の落とし穴とは?
書籍では、「広告はやり方次第で成果が大きく変わる」ことを、具体的な失敗事例で示しています。ここではその一部をご紹介します。
検証期間が短すぎて、良し悪しの判断ができない
広告を1週間だけ回して「やっぱりダメだ」と終了。CPAの確認もしないまま、改善の機会を逃す。
(書籍より引用)
“超低CPA”を求めすぎて広告が止まる
実際はリピート率が高くLTVも良好だったのに、初回赤字を許容できず新規顧客を獲得できず失速。
(書籍より引用)
おしゃれだけど抽象的なバナーばかりでクリックされない
「品質最高!」「今だけ!」といった曖昧なコピーでは伝わらない。数字や具体性がカギになる。
(書籍より引用)
こうした失敗はすべて、「検証不足」または「指標(CPA・LTV)の不理解」が原因です。
CPA=1人の新規顧客を獲得するのにかかった広告費のこと
LTV=1人の顧客が“生涯で”どれだけ購入してくれるか、の総額を示す指標
成功事例:こうして月商100万円を突破したEC
成功している事業者は、決して大きな投資をしているわけではありません。むしろ、小さなテストから始め、“今ウケる表現”を見つけ出し、そこに集中投資しているのです。
たとえばコスメのD2Cブランドでは、4つの軸(敏感肌・時短・オーガニック・エイジングケア)を細かく検証。そのうち最もCPAが低かった1軸に絞り、訴求表現を磨いてCVRを高めました。
その結果、月商は約3か月で70万円→110万円に
書籍では、こうした検証・調整・反応の見極め方が丁寧に紹介されています。
まとめ:「広告は投資」そのマインドが成長を支える

- 一発勝負ではなく、小さく試して磨く姿勢が大切
- 新規だけでなく既存顧客にも広告を活用できる
- 数字(CPA・LTV)を味方につければ、運用の判断軸が生まれる
広告=“顧客とのコミュニケーション”と捉え直すことで、売上を拡大するだけでなく、長く支持されるブランドづくりにもつながっていきます。
書籍でさらに学べます
本記事は、書籍『絶対に失敗しないECのやり方』第5章の一部を紹介したものです。
本書では以下のような内容がより詳しく、実践的に解説されています。
- 広告の3ステップ設計(訴求軸/表現/検証)
- CPAとLTVの目標設定と調整法
- クリエイティブ改善の具体例
- 成功&失敗事例から学ぶ広告運用の鉄則
「広告を“売り込み”ではなく“会話”に変える」──そんなECの未来が学べる一冊です。
読者の声(口コミ)

「広告に苦手意識がありましたが、“やってみて学ぶ”という姿勢に変えられました」

「やれることは全部やったはずなのに成果が出ない。そんなときこそ読むべき。思考が変わります」

「自社の広告運用に確信が持てるようになり、無駄な出費も減りました」

絶対に失敗しないECのやり方
著者:広瀬 裕 鈴木 陽介
定価:1200円
出版社:株式会社インターコード
本書について
個人〜中小規模のEC事業者に向けて、
「どうすれば安定して売れ続ける仕組みをつくれるのか?」を体系的に解説した一冊です。