「コミュニティを作っても、誰も発信してくれない」
「無料でどこまで情報を出していいか分からない」
そんな悩みを抱えるEC運営者に向けて、今回は“売れ続ける仕組み”をつくるための2つの視点
「コミュニティ」と「有料コンテンツ」について解説します。
書籍『絶対に失敗しないECのやり方』第6章では、“モノ+コト”の時代における顧客体験の磨き方を詳しく解説。
その中から、特に重要な2つのトピックを紹介します。
「宣伝しない」からうまくいく──コミュニティ運営の新常識

「コミュニティ=売る場所」と思っていませんか?
実はその発想が、顧客の信頼を遠ざけてしまう原因になります。
書籍ではこう述べられています。
「楽しい」「ためになる」「課題が解決する」などの“体験価値”を求めている
だからこそ、コミュニティ内で過度に商品リンクを貼りまくるなどの行為は敬遠されがち
(書籍より引用)
つまり、売上を上げたいなら“あえて売らない”。
宣伝色を抑えることで、自然な推奨が生まれやすくなるのです。
失敗の法則:毎日の売り込みが、コミュニティを壊す
あるECサイトでは、メンバー限定のコミュニティ内で毎日キャンペーン告知やセール情報を連投していました。結果、「宣伝ばかりでうんざり」とユーザー離れが加速してしまいます。
一方で、商品そのものではなく「体験」に焦点を当ててコミュニティを運営することで、こんな流れが生まれます。

新規メンバー:「○○って使ったことある人いますか?」

既存ユーザー:「私は使ってます!○○が便利でしたよ」
→ 結果的に新規ユーザーが購入に至りました。
まさに「顧客が顧客を呼ぶ」状態。広告費ゼロでの新規獲得が可能になります。
情報が“商品になる”──有料コンテンツの可能性

「売る商品はあるけど、情報発信はおまけ程度…」
そんな方ほど、情報コンテンツを“収益化”する視点が重要になります。
「商品には興味がないが、情報なら買う」層が一定数存在する
(書籍より引用)
たとえば、サプリそのものは買わなくても「ダイエット講座」には申し込む人がいます。
つまり、ユーザーの“欲しいもの”が「物」から「知識や体験」に移っているのです。
失敗の法則:再編集しただけのPDF教材は売れない
あるECサイトがダイエット情報をまとめたPDFを販売しましたが、既存のブログ記事を編集しただけの内容で深みがなく、「これなら無料で十分」と評価が下がってしまいました。
逆に、しっかり設計された有料セミナーや教材は「この人は信頼できる」というブランディングに繋がります。結果として「商品も買ってみよう」という行動へ自然に移行します。
情報を無償で出すのも一つの手ですが、あえて有料にすることで「価格以上の価値」を体験してもらえることもあるのです。
まとめ:「“売らない”から売れる」──顧客体験を起点に考える
本記事では、“売れ続けるEC”を実現するための2つの視点をご紹介しました。
- コミュニティは「商品を売る場」ではなく、「体験を提供する場」として運営する
- 有料コンテンツは「情報そのものが価値になる」ことを前提に、丁寧に設計する
一見、売上と直結しなさそうに見える取り組みが、実は長期的なファンを生み、“売れ続ける構造”を築いていきます。
書籍で詳しく解説
本記事は、書籍『絶対に失敗しないECのやり方』第6章の一部を紹介したものです。
本書では以下のような内容を、より詳しく、実践的に学べます。
- 顧客体験を支える「コンテンツ・コミュニケーション・コミュニティ」の構築術
- コミュニティ運営で“売らずに売れる”状態をつくる方法
- 有料コンテンツを通じて、ブランド価値とLTV(顧客生涯価値)を高める仕組み
読者の声(口コミ)

「“売らずに売る”という考え方に驚きました。ファンが自然に動いてくれる感覚が初めて掴めました」

「やれることは全部やったはずなのに成果が出ない。そんなときこそ読むべき。思考が変わります」

「この本を読んでから、コミュニティ内の発言数が2倍に!地道な改善が売上につながっている実感があります」

絶対に失敗しないECのやり方
著者:広瀬 裕 鈴木 陽介
定価:1200円
出版社:株式会社インターコード
本書について
個人〜中小規模のEC事業者に向けて、
「どうすれば安定して売れ続ける仕組みをつくれるのか?」を体系的に解説した一冊です。